「九絵狙い」05/11/12〜13/和歌山県紀伊大島須江崎にて

クエはスズキ目ハタ科の魚。関東以南から東シナ海にかけ、水深20〜200mの岩礁などに生息する。体表に縞模様があることから「九絵」の名がついたが、関東ではモロコ。九州ではアラとも呼ばれる。味が良いにもかかわらず漁獲が少なく、浜値でもキロあたり8000円程度で取引される高級魚。このため比較的安価な養殖魚も出回るようになった・・・とさ。
毎年のように秋になるとパパ氏から誘われていたクエ釣り。海はあまり好きやないけど、旨いもんも食えそうやし…とやってきた。
紀伊半島の最南端、潮岬の東側に浮かぶ紀伊大島。橋が架かりクルマで渡れるようになったのは近年のことらしい。パパ氏のベストポイントはここ大島ではなく、潮岬の一番先
端に浮かぶ岩礁「コメツブ」。日本中の磯釣り師が憧れる名礁である。四方数メートルしかないそこは黒潮の通り道であり、目の前をマグロやイルカの群れ、サメやウミガメも乱舞する海洋版野生の王国だという。もちろん渡船で「乗る」のだが潮の流れの関係でいつでも渡れるものではないらしい(渡船料4000円)。今回は超ビギナーの私とハルミちんもおるので大島の須江崎へとやってきた。

磯に陣取りパパ氏は手際よくクエ竿を2本セット。これが見るからに極太の竿で、ベランダから下におる人間でも釣り上げられるという。(1本20万円)取り合えす冷凍のデカいアジを付けて底に沈める。その他に小物用のサビキを2本(釣れればクエ用の生き餌にする)をセット。私は・・・お〜!ルアーロッドがあるではないか!?シマアジやカツオなら釣れるというので、でっかいミノーを付けてひたすらキャストを繰り返す。足下を小魚の群れというより大群が泳いでいく。凄い。その時、足下で「ガツン!」とアタリが!「来た〜!」ロッドは大きな弧を描いてしなる〜!水面に60cmくらいの魚影が見えた!グッグ〜と堪えると・・・「ブチッ!」っとラインが切れた。あっさりと。悲しい・・ビッグトラウト用の12lbのラインだった。
さっきの一撃で火が付き、マスを覚えたサル状態?でひたすらルアーを投げる。しかし…さっぱり。ええかげん腕がしんどくなってきた。サビキの方は時々イサキやサバ等の小物が釣れる。引き上げるまでナニが出るか判らないのが海釣りの面白いところ。今日は潮目が良くないようで他の釣り師の釣果も良くないようだ。本命のクエ竿もパパ氏がたまに引き上げるが、掛かってるのはウツボばかり。これは見るからにグロテスクな奴で、私は寒気さえする。お〜怖っ。
日没まで粘ってみたがダメでした。さぁ温泉温泉♪
浦島ハーバーホテルの露天風呂で潮臭い身体をさっぱり洗って、お楽しみの宴会場へ。
串本の漁師が集うというパパ氏の行きつけの居酒屋へ向かう。
潮岬はご存知の通り最南端に灯台があり、それを巡る周回路だけのイメージしかなかったのだが、内部へ入り込むと結構集落が広がっている。居酒屋「トトロ」はその一角にひっそりとあった。事前に連絡を入れてくれていたので、天ぷらや海の幸がてんこ盛り。旨くて旨くてどんどんお酒が進むくん。店の壁にはこの9月にパパ氏が釣り上げたクエの魚拓が飾れていた。そのうちに常連の漁師が「ウルメ持ってきたでー」とやってきた。今朝捕れたばかりのものを漁師自ら捌いて出してくれた。ウルメイワシの刺身。都会では食べられない一品。旨い。するとまたまた別の漁師がやってきて「アカイカ持ってきたでー」。バケツの中で20cmほどのイカが数尾泳いでいる。しかも透き通っている。すでにでろでろのパパ氏は「これを食わなアホや〜!」とほざきながら、手掴みで頭からガブリ!アカイカの踊り食い。私らも真似る。イカスミが甘くて旨い!「がっはっはっは〜!」「旨い!旨い!」笑う口元は皆真っ黒だった・・・
それからは地元の漁師達も混じっての大宴会。飲めや!歌えや!の大騒ぎ。楽しい楽しい。

終盤、パパ氏とハルミちんは撃沈状態で、何故か私は元気であった。
尚、お店のお勘定は料理代より酒代が上回った(^_^;)潮岬は楽しいところ、また来るで〜(^。^)



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